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高松高等裁判所 昭和58年(ラ)7号 決定

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

記録によれば、原裁判所は、頭書競売事件につき、別紙目録(5)、(6)記載の各土地及び同(7)、(8)記載の各土地をそれぞれ一括して、同(1)ないし(4)、(9)ないし(11)記載の各土地をいずれも個別に、期日入札の方法で売却することとし、評価人の評価に基づいて、(1)の土地の最低売却価額を一七万八〇〇〇円、(2)の土地のそれを一三万二〇〇〇円、(3)の土地のそれを三二万円、(4)の土地のそれを三万円、(5)、(6)の各土地のそれを五七万六〇〇〇円、(7)、(8)の各土地のそれを六〇万円、(9)の土地のそれを七五万円、(10)の土地のそれを二五五万五〇〇〇円、(11)の土地のそれを三二万円とそれぞれ定めたこと、昭和五七年一二月二一日の入札期日において、抗告人は、(2)の土地を二六万円、(3)の土地を六四万円、(4)の土地を一五万円、(5)、(6)の各土地を一〇〇万円、(7)、(8)の各土地を一二〇万円、(9)の土地を一五〇万円、(10)の土地を二六〇万円、(11)の土地を九六万円でそれぞれ買い受ける旨の、岡本和夫は、(3)の土地を三五万〇一〇〇円、(5)、(6)の各土地を七〇万〇一〇〇円でそれぞれ買い受ける旨の各入札をし、他に入札者はなかつたこと、原裁判所は、同月二二日の売却期日において、(2)ないし(11)の各土地につき八三一万円の額で最高価買受けの申出をした抗告人に対しその売却を許可する旨の原決定を言い渡したことが認められる。

そこで、抗告人の主張に鑑み、更に記録を検討してみると、執行官及び評価人は、別紙目録記載の各土地の所在位置が現地に照らして客観的に明白でなかつたことから、所有者である植田雅志に現地を案内してもらつて各土地の所在位置の指示説明を受け、その指示説明に間違いがないものとして、指示説明に係る各現地につき現況調査及び評価を行い、そのとおりの現況調査報告書及び評価書を作成したこと、ところが、右指示説明には一部誤りがあつて、(9)の土地と指示された場所は全く別個の土地であり、(2)、(4)、(5)の各土地と指示された場所も、その各土地の近くではあるものの、いずれも別個の土地であつたこと、そして、右の過誤は、原決定が言い渡された後、抗告人が現地を調査した結果、はじめて判明したことが認められる。しかして、右の事実から判断すると、(2)、(4)、(5)及び(9)の各土地については、いずれも所在位置の把握を誤り、別個の土地の現況を前提として評価がなされ、それに基づき最低売却価額が決定されているので、その決定に重大な誤りがあるといわざるをえないから、民事執行法一八八条により準用される同法七一条六号の規定により、売却を不許可とすべきであり、そうである以上、(5)の土地と一括して売却に付された(6)の土地についても、一括売却の趣旨にかんがみ、同様に取り扱うのが相当である。

しかしながら、記録に徴すると、(3)、(7)、(8)、(10)及び(11)の各土地については、最低売却価額の決定等につき誤りはなく、その売却手続は適法に行われていることが認められる。抗告人は、本件各土地のうち(9)の土地が最も価値が高いことなどを理由に原決定に係る全土地につき売却を不許可とすべきである旨主張するが、そのように解すべき理由は見出し難い(本件売却は、(5)、(6)の各土地及び(7)、(8)の各土地をそれぞれ一括して、その余の土地をいずれも個別になされたものであるから、本件各土地の所在位置が前記指示説明のとおりであり、従つて、右のごとき過誤がなかつたとしても、入札の段階においては、抗告人が必ず(9)の土地の最高価買受申出人となるとは限らず、例えば、(9)の土地は他の買受申出人が、(2)ないし(8)及び(10)、(11)の各土地は抗告人がそれぞれ最高価買受申出人となる可能性があつたわけであり、もしそうなれば、当然、抗告人は、前者の売却を許されず、後者の買受けをしなければならない関係にあつたことを考えれば、右主張が失当であることは明らかである。)。

そうすると、抗告人が金二九一万円の額で最高価買受けの申出をした(2)、(4)、(5)、(6)及び(9)の各土地については売却を不許可とし、抗告人が金五四〇万円の額で最高価買受けの申出をした(3)、(7)、(8)、(10)及び(11)の各土地については売却を許可すべきである。

(宮本勝美 山脇正道 礒尾正)

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